39才での妊娠出産。私は出生前診断を受けました。

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35才を過ぎて妊娠された方は、命を授かってうれしい反面、赤ちゃんの健康について不安に思う方も多いのではないでしょうか。

私は39才で妊娠をし、悩んだ結果、成育医療研究センターで「コンバインド検査」という出生前診断を受けました。

出生前検査は大変デリケートな問題を含んでおり、賛否、さまざまな意見があります。私も検査を受けるまで、たくさんの方の経験談を読み、聞き、参考にさせていただきました。微力ながらお悩みの方のご参考になればと思い、出生前診断を受けるまでの葛藤、受けてみて思うことなどを、こちらのブログに残しておきます。

私は医療関係者ではありませんので、あくまで個人の考え方としてお読みいただければ幸いです。

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出生前診断を受けるか、受けないかの葛藤

私は第一子を33才で妊娠しました。その時には「出生前検査」という言葉も知らず、一般的な妊婦健診のみを受けて出産に至りました。

そして第二子の妊活を始めたのが37才頃。テレビや周りの友人から自然と「出生前検査」という言葉を耳にすることが多くなり、自分の年齢が上がってきたこともあって気になるように。ネットで検査のことや、出産年齢と障害の関係について調べていました。

そして39才で妊娠。うれしい反面、出生前検査を受けるのか受けないのか、悶々と悩むことになりました。

39才の女性の子供のダウン症発生率は1/137。この確率が高いのか低いのか、なんとも判断がしづらいところですが、以前第一子を妊娠した33才時点では、ダウン症の発生率は1/625。6年でこんなに確率が上がるということに、どきっとしました。

*数値は「女性の年齢と子どもの染色体異常のリスク」より。

心配だからこそ知っておくべき 妊娠・出産の正しい知識 〜妊娠適齢期から考えるライフプラン 全4回③【出産のリスク編】 | ワンモア・ベイビー・ラボ
 

もし検査で染色体異常が確定したらどうするのか。障害のある子供を、私たちは育てられるのか。どうやって育てたらいいのか。仕事や第一子への影響は。いっそ検査を受けずに出産した方がいいのでは。夫にすら相談する勇気も持てず、感情的になるばかりでうまく言葉にすることもできず、しばらく一人で悩んでいました。

ただ検査には妊娠週の期限もあるため、意を決して夫に相談しました。夫は「大切な子供のことだから、心配なのは当然だよね。もうそこまで考えている以上、不安なまま10ヶ月過ごすのはストレスになるんじゃないかな」と。確かに、その頃の私は検査のことや赤ちゃんの健康状態のことで頭がいっぱいで、妊娠を素直に喜べるような状態ではありませんでした。貴重な妊娠期間を不安な気持ちのまま過ごすことは、誰にとっても幸せなことではないな、と私も思いました。

そして、夫は「お腹の子について、今の段階で分かることを知っておくのはいいことだと思う。もし病気があったとしたら、生まれるまでに医療的な準備や、環境の準備、親としての心の準備ができるし」と続けました。

もし染色体異常が確定したら。まだまだ情報も知識も準備も不足していて、最終的な結論は出せないけれども、妊娠を中断することはできるだけ考えたくない、というのが私たちの思いでした。

私がどうしても感情的に悩んでしまうなかで、夫が冷静だったのはとても助かりました。

私たちは、安心して、検査結果によっては覚悟をして妊娠期間を過ごすため、そして赤ちゃんのことをよく知るために、出生前検査を受けることを決めました。

出生前診断の種類

出生前検査の種類、受けられる時期、費用はこのようになっています。こちらは成育医療研究センターの場合で、病院によって異なります。

NIPT妊娠10-16週約 180,000 円非確定
妊娠初期コンバインド検査妊娠11-13週約 30,000 円非確定
絨毛検査妊娠11-14週約 160,000 円確定
妊娠中期母体血清マーカー検査(クアトロテスト™)妊娠15-18週約 16,000 円非確定
羊水検査妊娠16週以降約 160,000 円確定

 *成育医療研究センターHP「出生前検査をお考えの方へ」より

絨毛検査、羊水検査は、それだけで診断の確定する「確定検査」、それ以外は確率をみる「非確定的検査」となります。しかし、絨毛検査と羊水検査はそれぞれ、1/100、1/300、と流産につながるリスクがあるので、それ以外の検査、NIPT、コンバインド検査、クアトロテスト、をまずは選択肢として考えることが多いと思います。

NIPT(非侵襲的出生前遺伝学的検査)

新型出生前診断とも呼ばれるNIPTは、妊婦さんの血液検査をし、血液に含まれる胎児由来のDNA断片量より、胎児の病気の確率を計算する検査です。認定施設で検査を受けるには、出産予定日の年齢が35才以上であることなど、条件があります。

コンバインド検査やクアトロテストなど、従来の検査よりも精度が高い検査なのですが、費用が約 180,000 円と高額になります。

妊娠初期コンバインド検査

妊婦さんの血液検査と、超音波検査で赤ちゃんの計測を組み合わせて行うことで、検査の精度を上げて赤ちゃんの病気の確率を計算する検査です。
妊娠初期に、赤ちゃんの首の後ろが比較的厚く、むくみがある場合、染色体異常や心臓など内臓の病気を持っている可能性が高いと言われています。

費用は約 30,000 円。検査を受けられる期間が、妊娠11-13週と、短くなっています。

妊娠中期母体血清マーカー検査(クアトロテスト™)

妊婦さんの血液検査をし、血液中の成分の濃度より、胎児における一部の病気の確率を計算する検査です。費用は約 16,000 円と、検査の中では安価になっています。

出生前診断 どの検査を選ぶのか?

検査の選び方について、ここからは個人の見解になります。

まず、最も費用の安価な「妊娠中期母体血清マーカー検査(クアトロテスト™)」について。
クアトロテストは年齢の影響を受けるので、35歳以上の場合は陽性になる可能性が高くなります。ブログでいろいろな方の経験談を読んだところ、微妙な数値の結果が出た場合、解釈が難しいのでは、と感じました。

有名なところでは、プロゴルファーの東尾理子さんのケース。第一子妊娠中にクアトロテストを受け、ダウン症候群の陽性判定(1/82)が出たのですが、その後健康なお子さんを出産されました。このこともあり、検査結果によっては必要以上に不安になることもあるのでは?と思いました。

東尾理子『クアトロテスト検査』
りたりん(今日からお腹の中の赤ちゃんを、そう呼ぶ事にしました何故かは、また今度簡単だから、当ててみてもいいよ)に障がいがあるかを調べるクアトロテスト血液検査を…

「妊娠初期コンバインド検査」は、妊婦の血液検査だけでなく赤ちゃんの状態を加味して検査結果を出すのがよい点だと思いました。エコー検査で赤ちゃんのことをしっかり見られるので、「赤ちゃんについて、今の段階で分かることを知っておきたい」という私たちの希望に、最も合っているのではと感じました。

検査精度の高さでいうと、「NIPT」が秀でているのですが、約 180,000 円と高額であること、妊婦の血液検査のみで赤ちゃんの状態は検査されないことから、私たちは「妊娠初期コンバインド検査」を受けることに決めました。

出生前診断の流れ

成育医療センターには周産期遺伝外来があり、まずこちらで出生前検査の遺伝カウンセリングを受けることが必須となっています。検査には夫婦二人の同意、サインが必要になるため、夫婦での受診が推奨されています。

カウンセリングは30分ほど。なぜ出生前検査を受けようと思ったのか、そして、結果が陽性であった場合どうするのか、先生から質問をされます。陽性だったら…という質問には、「正直まだ考えがまとまっていません」と答えました。
そして、各検査について、事前に渡されていた資料よりも、より詳しく説明がありました。また、出生前検査でわかるのは、一部の病気のみであるというお話がありました。

カウンセリングを経て、やはりコンバインド検査を受けたいという思いであったため、その場で同意書に夫婦のサインをし、採血、エコー検査となりました。

エコー検査には夫も同席。まだ妊娠13週ですが、ぴこぴこと動く心臓、すでに人のかたちになっている赤ちゃんを見て涙が止まりませんでした。こんなに小さいのに、私のお腹の中で力強く生きています。もし障害のある可能性が高かったとしても、やっぱりこの子の心臓を止めることはできないと思いました。

エコーを見ながら先生が「元気ですね〜。心配ないと思いますよ。」と言ってくれたので、少し心配が薄らぎましたが、やはり結果が出るまでは不安でたまりませんでした。検査結果は1週間後。再び来院して聞くことになります。

検査結果を待つ1週間

検査後、仕事も手につかない、落ち着かない1週間を過ごしました。

ただ、エコー検査を受けてから「何があろうとも、赤ちゃんを産む」という気持ちは強くなっていました。私のお腹の中には、しっかりと赤ちゃんが存在していました。まだそのお顔を見ることができなくても、私たちの子供として、もう存在しているのです。

出生前検査で分かる障害、病気は、ほんの一部です。もし出産後に赤ちゃんに障害や病気が発覚したら。例えば、もし産後3ヶ月に赤ちゃんが病気にかかったら。大切な我が子が少しでも長く生きられるよう、全てをかけて育てると思うのです。自分の命にかえてでも、赤ちゃんを助けてあげたいと思うでしょう。

だとしたら、お腹の中にいるときに障害が分かったとしても、同じことなのではないか。自分の子供として、なんとか生きられるように全力を尽くしたい。
検査結果が陽性だったとしても「妊娠を中断する」ということは、選択肢から消えました。

出生前診断の結果

検査結果は夫と二人で聞きに行きました。朝一番の予約でしたが、待合室には私たちと同世代の夫婦がもう一組。きっと同じように、不安な気持ちでこの日を待っていたのだと思います。

先生に呼ばれ部屋に入ると、女医さんが3名。テーブルの上に裏返した検査結果が置かれています。「お待たせしました。こちらが結果です」。どきどきしながら用紙を裏返すと英語の書類で一瞬とまどいましたが、「INTERPRETATION: Screen Negative」の文字が目に入りました。「陰性」ということです。
ダウン症は「1/740」、18トリソミーは「1/10,000」という確率でした。

先生方に「心配でしたよね」と言われ、また涙が…。この時期はほんとうに泣いてばかりでした。

待合室にはまだ先ほどのご夫婦が待っており、夫と静かに部屋を出ました。このご夫婦にも、安心できる結果が出ますように、と思いました。

出生前診断を受けて、思うこと

出生前検査を人にすすめるか、と聞かれたら答えに困ってしまいますが、私自身はよい経験だったと思っています。

恥ずかしながら、障害のある方は、今までどこか別の世界にいるように感じていたところがありました。しかし、障害や、障害のある人は、自分と無関係ではありません。検査を受けるにあたり障害の確率やメカニズムを知ったことで、自分自身や私の子供は「たまたま」障害がなかっただけなんだと思いました。

成育医療センターには、病気や障害のある子供がたくさん通院、入院しています。ご家族のご心配やご苦労はどれほどかと、頭が下がります。検査を受けてから、ほんとうに微力ですが、「ドナルドマクドナルドハウス」への募金をはじめました。マクドナルドハウスは、お家から離れた病院に入院しているお子さんとご家族のための滞在施設。お子さんの治療に付き添うご家族が滞在できる施設で、100%寄付で支えられています。成育医療センターにも募金箱がありますし、マクドナルド店舗のレジにも設置されています。少しでも子供たちのため、ご家族のためになれば嬉しく、わずかですが寄付を続けています。

公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン
ドナルド・マクドナルド・ハウスは病気の子どもとそのご家族が利用できる滞在施設です。入院している子どもとその家族がよりよい生活をおくれるようにサポートいたします。

最後に、出生前検査を受けた結果、現実問題として妊娠を中断せざるを得なかったご家庭もあるかと思います。そのようなご両親のことを思うと、胸がはりさけそうになります。どうか、ご両親ご家族が心穏やかに過ごせる時がきますようにと願わずにはいられません。そしてそのような方へのサポートやケアが充実していくように、願っています。